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二日間に亘っての大会で少年剣士達は、日頃の厳しい稽古の成果を試し合い、又、剣道を通じて親睦を深めた事は、収穫大であった。
▽第二十八回錬成大会は、森山真弓文部大臣他多数の来賓を迎え七月二十六日、二十七日の二日間に亘り小学団体四八六チーム・中学団体四二三チームが酷暑ふきとばす熱戦を展開した。小学生団体の部は、二連覇のかかった、名門福岡如本館と、初優勝を目指す宮崎剣心舘の九州勢同志の決勝戦となった。先鋒から中堅まで引分けで副将山下選手が先取した小子が唯一の決め手となり、念願の小学生日本一を手にした。
中学団体の部は、昨年六連覇を阻止された栃木県練兵館が今回も又、決勝に進出、兵庫県の新宮剣志館と対戦、またしても練兵館が日本一を奪還した。来年も多くの道場が厳しい稽古を積み、打倒練兵館を目指すことと思う。
▽第二十九回錬成大会は、与謝野馨文部大臣他来賓を迎え八月十日、十一日の二日間に亘り小学生団体四七三チーム、中学生団体四二五チーム、小学生個人六二名、中学生個人六四名によって、日本武道館狭しと熱戦が展開された。
小学生団体の部は九州勢がこれまで五回連続最優秀賞を手にしていたが、今回は茨城県、いばらき少年剣友会が初の栄冠を手にした。又、小学生個人の部もいばらき少年剣友会の雨谷武蔵君が最優秀賞に輝き違業を達成した。
中学団体の部は、第二十七回大会で栃木県練兵館が六連覇を逃した後、第二十八回、第二十九回と又、二連覇を達成し向うところ敵なしといった感がある。
今回は、特に関東勢の活躍がめだった大会であった。
▽第三十回錬成大会は、三十回記念大会として開催し、秋篠宮殿下、同妃殿下、又、与謝野馨文部大臣他多数のご来賓を迎え記念大会にふさわしい大会となった。
開会式では三十回大会を記念して永年にわたり剣道普及等にあたられた道場主に対し文部大臣感謝状を授与し、全日本少年剣道錬成大会連続三十回出場者(十団体)を表彰。又、これまで大会に貢献のあった団体企業等(二十五団体)も表彰した。
試合は、今回を記念して文部大臣杯も下付戴き、小学生団体485チーム、中学生団体417チーム、小学生個人63名、中学生個人64名が武道館の大道場も所せましと熱戦が展開された。
結果は小学生団体の部で栃木県練兵館が優勝し、更に中学団体の部でも練兵館が三連覇を成し遂げて、史上初のアベック優勝の大偉業を成しとげた。個人戦は小学生の部を、鹿児島県香月剣道スボーツ少年団八代尚也選手。中学生の部を神奈川県久里浜剣士会宮川覚次選手が日本一を手にした。
今回も栃木県練兵館の強さを強烈にアピールした大会となったが、他の道場の命後の奮起を大いに期待したい。

 

 

 

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